![]() 高速な競合均一アッセイのための装置、組成物および方法
专利摘要:
本書の実施形態は、サンプル中の標的分子の存在および/または濃度を検出および/または測定するためのシステム、方法、組成物、装置に関する。ある実施形態では、標的分子は非ゲル電気泳動技術を用いて分離および分析することができる。 公开号:JP2011514962A 申请号:JP2010524246 申请日:2008-09-10 公开日:2011-05-12 发明作者:ヴァント−ハル,バリー;タイレル,スティーブン,パトリック 申请人:ライザー ダイアグノスティクス,インク.Lyzer Diagnositcs,Inc.; IPC主号:G01N33-559
专利说明:
[0001] 関連出願 本出願は、2007年9月10日に提出された米国仮特許出願第60/993,034号および2007年9月25日に提出された第60/995,186号の利益を主張し、それら全体が参照によって本書に組み込まれる。] [0002] 本書の実施形態は、一般にサンプル中の標的分子の濃度および/または存在を高速に検出および/または測定するための装置、方法、および/または組成物に関する。ある実施形態は、本書で開示された装置とシステムを用いた標的分子の濃度および/または存在の検出および測定に関する。方法、組成物および/または装置は、標的分子の広範囲の濃度に対する検出および/または濃度測定に有効である。] 背景技術 [0003] 低濃度のタンパク質の検出は、医学、食物検査、生物学的研究、および生物戦争の作用物質の検出領域において最も重要である。タンパク質を測定するための最も一般的なツールの一つは、抗体、例えばイムノアッセイである。全抗体分子を用いることに対する一つの一般的な代替案は、単に抗体の結合領域を用いることである。例えば、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab)2フラグメント、F(ab’)2フラグメント、またはscFvフラグメントなどの様々な抗原結合抗体フラグメントが知られている。] [0004] 標的分子の測定用の抗体に対する別の最新の代替物は、アプタマである。アプタマは核酸分子であり、標的分子を測定する際の用途を目的として得ることができる。アプタマは、比較的短時間に生体外で生成され、長い有効期限を有し、化学的に修正するのが容易であり、アプタマの生成は高コストであるが抗体より良好な結合特性を潜在的に示し、かつ、しばしば幾つかの体液中で安定性が低いといった幾つかの利点がある。] [0005] 溶液中の分子の濃度を検出および/または測定するための現在の方法は、短い分析時間と、高感度と、低濃度で存在する標的分子を検出および/または定量するのに必要な多量のサンプルを分析する能力とを結び付けるものではない。] [0006] 本書の実施形態は、標的分子の検出および/または測定のためのデバイス、方法、および組成物に関する。ある実施形態では、本書の方法はタンパク質または他の標的分子の広範囲の濃度の検出および/または測定に関する。これらの実施形態に従って、組成物と方法は、本書で開示された方法およびデバイスを用いて標的分子濃度を検出および/または測定するために、抗体、アプタマ、生物学的レセプタ、または設計済みの小分子結合剤などの結合剤を用いることに関する。] [0007] 他の実施形態は、溶液相剤が捕捉剤に結合された状態で、未標識の標的分子とトレーサブル剤−標的分子複合体を競合的に結合することによってサンプル中の標的分子を検出することに関する。ある実施形態では、溶液相剤は、抗体、抗体フラグメント、生物学的レセプタ、または捕捉分子に結合済みの特異的に選択された小分子結合剤とすることができる。ある実施形態では、捕捉分子は、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、オリゴヌクレオチドプライマ、またはペプチド核酸(PNA)プライマなどのアビジンとすることができる。これらの実施形態に従って、溶液相剤は、捕捉分子の結合体に結合された溶液相高分子に結合し、ゲル電気泳動中に溶液相剤の電気泳動度を低減することができる。このように、結合したトレーサブル剤−標的分子複合体は、電気泳動などの分子分離技術中に未結合のトレーサブル剤−標的分子複合体から容易に分離され、2つの個体群の標的分子を提供する。さらに、これらの2つの個体群は、標的分子の濃度に対して提供する反比例および比例の信号を測定することができる。標的分子/溶液相剤/高分子複合体と未結合の標的分子の間の電気泳動度の差は、このプロセスを高速かつ効果的にすることができる。] [0008] ある実施形態では、特異抗体は、捕捉分子に結合された溶液相高分子と結合して抗体の電気泳動度を低減することができる。これにより、結合したトレーサブル剤−標的タンパク質分子複合体は、分離方法、例えば電気泳動によって未結合のトレーサブル剤−標的タンパク質分子から分離することができる。これらの2つの個体群は、特異的単クローンまたは多クローン性抗体を用いて標的タンパク質分子濃度に対する反比例および比例の信号を提供し、次いで測定することができる。これらの実施形態に従って、標的/抗体/高分子複合体と未結合の標的との間の電気泳動度において大きな差を生成することができ、標的分子の分離、高速な検出および測定を可能にする。] [0009] ある実施形態では、開示された方法はサンドイッチイムノアッセイを不均一アッセイから均一アッセイに変換し、これによってサンドイッチELISAアッセイなどの不均一アッセイに普段関連する労働集約型で高価なステップの多くをなくす。他の実施形態では、開示された方法は、溶液相中で完全にアッセイを行うことに関連した力学上の利点を得ることができる。本書の実施形態は、時間の代わりに分単位で、かつ低コストでサンドイッチイムノアッセイを行うことができる。] [0010] 他の実施形態は、本書で開示された方法によって提供されるデータを評価、読み出し、および保存するよう設計されたシステムに関する。ある実施形態では、本書で開示されたデバイスは、標的分子のリアルタイムの存在もしくは不在および/または定量の目視検査および評価を提供する。本書で取り扱われた幾つかの実施形態は、非ゲルシステムで標的分子の分離を可能にする。これらの実施形態に従って、本書で取り扱われた装置は反応室とすることができる。ある例示的な反応室では、標的分子の存在もしくは不在および/または濃度の評価は、1時間以下、45分以下、または30分以下中もしくは15分以下で評価される。一つの例示的な反応室は、限定されないが、少なくとも2つの電極(例えば正負白金電極)(901)を含むことができ、少なくとも2つの緩衝液リザーバ(903)に少なくとも2つの電極ターミナル(902)、少なくとも2つのゴムガスケット(例えばシリコン)(904)、反応室の頂部および底部に配置された透析膜(905)、少なくとも1つの石英反応チャネル(906)、少なくとも2つの緩衝液リザーバと少なくとも1つの反応チャネルの間に配置された少なくとも2つのチャネルブラケット(907)と少なくとも2つの電圧放出チャネル(908)を含む。本書で開示された他の実施形態は、システムの一部として取り扱われる装置を含む。これらの実施形態に従って、システムは装置、電圧源(例えば約10v/cm乃至約1,000v/cmを提供する電圧源))、レーザ(例えば連続波レーザ)(1001)、レーザ光線(1002)、整形プリズム(例えばレーザー光線整形プリズム)(1003)、反応室(900)、反応チャネル(906)、光放射(例えば放射された蛍光)(1006)もしくは色放射、レンズおよびフィルタ(1007)、カメラ(例えば電荷結合素子カメラ)(1008)、および任意に、システムからデータを受信するコンピュータを含むことができる。ある実施形態では、システムは(例えば自動化された)ローディング装置(1101)、回転ドラム(1102)、および多数のアッセイの分析用の多数の反応室(1103)を含むことができる。] [0011] ある実施形態では、本書の用途で取り扱われる膜(例えば透析膜)は、任意の透析膜、例えば市販の透析膜を含むことができる。これらの実施形態に従って、透析膜は反応室の頂部および任意に底部に配置される。ある実施形態では、透析膜は反応室の頂部および底部に直接接触する。] [0012] 開示された反応室は単チャネルアッセイまたは多チャンネルアッセイとして準備されるよう本書で考慮される。単チャネル反応室アッセイは、卓上または携帯型の可搬反応室デバイス上に配置可能なスタンドアロンの反応室とすることができる。単チャネル反応室は、非ゲル反応室内に対象物からのサンプルを配置することができるように考慮されており、サンプルからの分離結果は実験室内または実験室設備の外部で分析することができる。] [0013] 本書で取り扱われた他の実施形態は、本書で開示された組成物および方法によって得られたデータを受信、保存、操作、および/または表示するためのコンピュータおよびコンピュータソフトウェアを含むことができる。ある実施形態では、例えば図12に示す例示的なソフトウェアのスクリーンキャプチャは、カメラ(1008)によってキャプチャされた画像を含む。本書で取り扱われたソフトウェアプログラムのさらなる実施形態は、例えばバンド強度分析および/または標的分子複合体濃度の評価のために分析領域の選択が可能である。これらの実施形態によれば、コンピュータソフトウエアプログラムは多数の反応室実験の評価および分析と、様々なサンプル中の標的分子分析を可能にすることが予想される。図12に示すように、右ウィンドウには各アッセイ実行のパラメータ、例えば、露光時間、露光間隔、露光数を設定することができ、次にデータを表示してデータのオンライン分析を可能にすることができる。] 図12 [0014] 一実施形態では、コンピュータソフトウエアプログラムはサンプル中の標的分子の存在もしくは濃度を評価するために用いられる。別の実施例では、多数のサンプルは標的分子の存在もしくは不在について評価される。対象物に関するおよび対象物からサンプリングする素性などのサンプルパラメータは、各サンプルを識別するために用いることができる。さらに、サンプルの準備に関するパラメータおよびサンプルの識別に用いる結合剤は、他のサンプルと比較して分析することができる。最適条件は、本書で取り扱われたソフトウェアプログラムから導き出すことができ、サンプルの準備および分析における再現性および一貫性を増加させる。さらに、サンプル分析によって得られたデータは、条件の存在、混入物の存在、作用物質の存在を評価するため、またはサンプルが抽出される対象物内の作用物質の存在もしくは様々な濃度によって示された条件を進展させるために用いることができる。本書で取り扱われる対象物は、人間または動物とすることができる。あるいは、サンプルは対象物よりむしろ場所または表面から抽出されてもよい。本書で開示されたアッセイの分析から得られたデータは、対象物の治療における少なくとも1つの治療薬の投与の必要性を評価するために用いられてもよい。これらのアッセイは患者の治療処置全般に用いられ、標的分子の存在、不在、または濃度レベルが対象物の状態に関係する場合に処置の改善を継続的に分析してもよい。別の実施形態では、これらの検査が他の検査と共に用いられ、被検者の概況に関する完全な理解を得てもよい。] 図面の簡単な説明 [0015] 図1は、標的分子(102)にトレーサブル分子(101)(例えばフルオレセイン)を付着してトレーサブル標的分子(103)を形成する例示的な概略図である。 図2は、捕捉エレメント(104)(例えばビオチン)が結合剤(202)(例えば抗体)に連結して捕捉エレメント−結合剤複合体(203)を形成する例示的な概略図である。 図3は、トレーサブル標的分子(103)、捕捉エレメント−結合剤(203)、および遊離標的分子(102)が結合して複合体(301と302)と過剰トレーサブル剤−標的分子複合体(103)を形成する例示的な概略図である。 図4は、図3に示された反応によるトレーサブル生成物が過剰のニュートラアビジン(401)と混合されて捕捉エレメント−結合剤を有するトレーサブル剤(403)または遊離標的分子(402)の何れかの複合体、および多価剤(例えばニュートラアビジン)(401)、同様に過剰トレーサブル剤−標的分子複合体(103)とニュートラアビジンも生成する例示的な概略図である。 図5は、図4に示された反応による生成物が過剰の多価剤(例えばニュートラアビジン)と過剰の本質的に無電荷の捕捉可能な高分子(例えばビオチンを結合した高分子)と混合されて捕捉エレメント−結合剤と多価剤と捕捉可能な高分子を有する標的分子(502)またはトレーサブル剤−標的分子複合体(503)の何れかの複合体、同様に過剰捕捉可能な高分子(501)と過剰トレーサブル剤−標的分子複合体(103)もを生成する例示的な概略図である。 図6Aは、頂部から底部への3層の反応室:それぞれサンプル層、捕捉層、およびスタッキング層の初期状態の概略図である。サンプル層は、反応緩衝液中に過剰多価剤(例えばニュートラアビジン)を有する図3に示された反応の左側にある何れかまたは全ての要素を含むことができる。捕捉層は、反応緩衝液中に本質的に無電荷の捕捉可能な高分子(例えばビオチンを結合した高分子)を含んでいる。スタッキング層は、本質的に無電荷の高分子(例えば直鎖状ポリアクリルアミド)を含んでいる。各図面のチャンバの左側に示される灰色のトレースは、各点での信号生成抗体の検出量を示す。図6Bは、例示的な図3および図4に示された反応によって提示された、例示的なサンプル層中の自己構築可能な複合体の概略図である。図6Cは、垂直方向に電位を印加して、捕捉層内への全ての構成要素の電気泳動と、図5に示す反応によって提示された複合体の形成とに導く概略図である。図6Dは、電位のさらなる印加により全ての構成要素を移動させて、本質的に無電荷の捕捉可能な高分子(例えばビオチンを結合した高分子)に結合されなかった全ての複合体をスタッキング層内への移動およびその層を通る移動と、捕捉層とスタッキング層の界面での結合複合体の集中とに導く概略図である。 図7Aは、サンプル中の未標識トランスフェリン(標的分子)が8nMFITC標識化トランスフェリン(トレーサブル標的分子)と競合する用量作用実験によるデータの例示的なプロット図である。これらの例示的なプロットは、頂部から底部までの約30秒間隔の時点を示す。各プロットの左側はカソードに接近しており、このように殆どの種は右へ移動する。図7Bは、サンプル中の未標識トランスフェリン(標的分子)が8nM FITC標識化トランスフェリン(トレーサブル標的分子)と競合する用量作用実験によるデータの例示的なプロット図である。26nMの未標識トランスフェリンが図7Aによる全ての構成要素と共にサンプル層内へ混合されたことを除いて、条件は図7Aと同じであった。図7Cは、サンプル中の未標識トランスフェリン(標的分子)が8nM FITC標識化トランスフェリン(トレーサブル標的分子)と競合する用量作用実験の制御実行によるデータの例示的なプロット図である。抗体(結合剤)がサンプル層から省かれたことを除いて、条件は図7Aと同じであった。 図8は、図7A−7Cの例示的なプロットのピーク面積の例示的なプロット図であり、同様に0乃至102nM間の他の未標識トランスフェリン(標的分子)濃度も様々な濃度に対して10分で計算された。典型的な競合曲線が示される。 図9A−9Cは、例示的な反応室(900)を示す。図9Aは、限定されないが、(901)白金電極、(902)電極端子、(903)、緩衝液リザーバ、(904)シリコンゴムガスケット、(905)透析膜、(906)石英反応チャネル、(907)チャネルブラケット、および(908)緩衝液リザーバと反応チャネル間の電圧放出チャネルを含む反応室の例示的な平面図である。図9Bは、限定されないが、(906)石英反応チャネル、(904)シリコンゴムガスケットを含む反応室の例示的な正面図である。図9Cは、限定されないが、(907)チャネルブラケット、(903)緩衝液リザーバ、(902)電極端子、(905)透析膜、(904)シリコンゴムガスケット、(908)緩衝液リザーバと反応チャネル間の電圧放出チャネルを含む反応室の例示的な側面図である。 図10は、限定されないが、(1001)473nmの連続波レーザ、(1002)レーザ光線、(1003)レーザ線ビーム整形プリズム、(900)反応室、(901)白金電極、(906)石英反応チャネル、(1004)放射された蛍光、(1005)レンズおよびフィルタ、および(1006)電荷結合素子(CCD)カメラを含む本書で取り扱われた装置(1000)の例示的な概略図である。 図11は、限定されないが、(1001)473nm連続波レーザ、(1006)CCDカメラ、(1101)自動ローディング装置、(1102)回転ドラム、および(1103)反応室を含む多数の反応室を有する本書で取り扱われたシステム(1100)の例示的な概略図である。 図12は、本書で取り扱われた幾つかの実施形態のソフトウェアの例示的なスクリーンキャプチャである。左ウィンドウは、CCDカメラ(1102)によってキャプチャされた画像を示し、分析すべき領域の選択を可能にする。右ウィンドウは、本書で取り扱われたアッセイに対してパラメータをセットし(例えば露光時間、露光間隔、露光数)、1以上のアッセイの代表的なデータを表示し、データのオンライン分析を可能にする。 図13A−13Bは、本書で取り扱われた幾つかの実施形態に用いたソフトウェアの例示的なスクリーンキャプチャである。 図14は、本書で取り扱われた幾つかの実施形態に用いたソフトウェアの例示的なスクリーンキャプチャである。 図15は、図13のプロットのピーク面積の例示的なデータを示しており、同様に0乃至102nM間の他の未標識のトランスフェリン濃度も様々な濃度に対して10分で計算され、得られたプロットが示される。 図16は、本書で開示された例示的なシステムの図である。この例示的な図は、反応室(900)、カメラ(1006)、レーザ(1001)、レーザ(1601)に操作可能に接続されたビーム導波器(例えば45度ビーム導波器)、およびビーム拡大器(例えばガリレイビーム拡大器ARコーティング:350乃至650nm)(1602)の側面図である。一つの例示的な実施形態では、図16に示されたシステムは、例えば携帯性を可能にするために、5乃至6インチ×16インチまたは5倍または10倍小さなパンボックスサイズでよい。 図17は、本書で開示された例示的なシステムの図である。この例示的な図は、反応室(900)、カメラ(1006)、およびビーム拡大器(例えばガリレイビーム拡大器ARコーティング:350乃至650nm)(1602)の平面図である。 図18は、本書で開示された例示的な装置の図である。この例示的な図は、チャンバマウントプレート(例えばデルリンチャンバマウントプレート)(1801)、リザーバ(デルリン緩衝液リザーバ)(903)、および背部プレート(例えばデルリンバッカープレート)(1802)を有する反応室(900)の平面図であり、Aは図19の拡大図に示される円を示す。 図19は、本書で開示された例示的な装置の図であり、Aとして図18にも縮小サイズで示される。この例示的な図は、石英反応室(906)、チャンバシール(例えばシリコン反応室シール)(1901)、マウント(例えばデルリン反応室マウント)(1801)、ウィンドウ(例えばサイジングウィンドウ)(1902)、膜(例えば透析膜)(905)、ガスケット(例えばシリコン反応室ガスケット)(904)、1902と異なるウィンドウ(例えばサファイアウィンドウ)(1903)、ウィンドウシール(例えばシリコンサファイアウィンドウシール)(1904)、およびウィンドウホルダ(例えばサファイアウィンドウホルダ)(1905)を有する反応室(900)の側面図である。 図20は、例示的なコンピュータデバイスを示す。 図21は、サンプル中の標的分子の存在または濃度を評価する例示的な方法のフローチャートであり、本書で開示された幾つかの実施形態に従って標準曲線を生成する例示的な動作を有する。] 図1 図10 図11 図12 図13 図13A 図14 図15 図16 図17 [0016] 定義 本書で用いられる際、「1」または「1つ」は1以上のアイテムを意味する。] [0017] 本書で用いられる際、ベッセル(vessel)は限定されないが、チューブ、チャネル、またはコンテナを含むことができる。] [0018] 以下のセクションでは、様々な実施形態を詳述するために様々な例示的な組成物および方法が記載される。様々な実施形態の実施が本書で概説された具体的な詳細の全てまたは幾つかの使用を必要としないことは当業者にとって自明であるが、やや濃度、時間、および他の具体的な詳細が定型的な実験によって修正されるかもしれない。幾つかのケースでは、周知の方法または要素が明細書に含まれていない。] [0019] 本書の実施形態は、標的分子の検出および/または測定用のデバイス、方法、および組成物に関する。ある実施形態では、本書の方法は、サンプル中のタンパク質または他の標的分子の広範囲の濃度の検出および/または測定に関する。これらの実施形態の通り、組成物および方法は、本書で開示される方法およびデバイスを用いて標的分子を検出および/または測定するための抗体、抗体フラグメント、アプタマ、生物学的レセプタ、または設計済みの小分子結合剤などの結合剤を用いることに関する。] [0020] 分子運動の理論的な処理 本書で取り扱うように、流体を通って移動する粒子(分子でもよい)は速度、サイズ(流体力学半径によって説明される)、および流体の粘度に比例した摩擦力を受ける。この正式な表現は、式1に示すように(例示式を参照)ストークス方程式として知られている。] [0021] 移動度として知られている量が式1により規定され、移動度で割った粒子速度が摩擦力を表す。球状分子については、流体力学半径はその半径に等しい。非球状分子については、ゆっくり動くフロー条件(分子の形状が分かっている場合、理論的に導き出すことができる)下で同等に振る舞う球状分子の半径として規定することができる。移動度は、式1から抽出され、式2aで表わされる。既知の分子量の分子に対して球形状が仮定される場合、式2bに示すように半径が計算される。式2cに示すように、式2aへ式2bを代入することで、分子密度、分子量、および流体粘度に換算した移動度の式が得られる。] [0022] この移動による摩擦力が作用力(例えば重力、電圧勾配)と等しい場合、粒子は等速で移動する。作用力と等しい摩擦力を設定し、速度について解くことで、式3に示すように移動度を掛けた作用力として粒子速度が得られる。したがって、移動度は粒子速度の計算に都合のよい方法を提供する。電界中の分子によって受けた力は、分子の電荷と電界の強さに比例する。したがって、分子速度は式4から得られ、「u」で示される量が電気泳動度(cm2/V秒の単位で)として知られており、式5によって規定される。式5の係数107は、電荷eをボルトと共にcm−g−s単位に変換する(これはm−kg−s単位である)。] [0023] 負極に帯電した分子(陰イオン)が陽イオンと反対方向に移動することを式4が示唆することに注意されたい。式4の一般形では、粒子速度と電界(これは電圧勾配である)はベクトル量であり、このためこれらに関連した方向を有する。] [0024] 移動度もスヴェードベリ係数sと密接に関連し、これは遠心機内の20℃の水中で粒子が沈殿する速度として規定され、遠心加速度で割られる。スヴェードベリ係数は10−13秒の単位で表される。速度を求めるために式3の浮力を用いることで、移動度の関数であるスヴェードベリ係数が式6aから得られる。したがって、移動度は式6bに示すようにスヴェードベリ係数から導き出すことができる。] [0025] 幾つかの実施形態では、標的分子に特に連結または結合する結合剤を用いることができる。幾つかの特別な実施形態では、標的分子と結合する抗体、アプタマ、または他の具体的に設計された分子を用いてもよい。ある実施形態では、血清中で発見された最も一般的な種類の抗体の1つは、標的分子、例えば免疫グロブリンG(IgGまたはガンマグロブリン)に結合するように導くことができる。IgGは、約150kDa(1320アミノ酸残基)の分子量を有する。異なるIgG分子に対する等電点は6乃至7.5の幅があり、中性pHで中程度の負電荷から僅かな正電荷までを意味する。IgGのスヴェードベリ係数は約7である。約1.2g/cm3の密度を仮定すると、式2bから計算される移動度は2.1×107s/gであるが、式6bから計算される移動度は1.7×107s/gである。] [0026] これら2つの計算における違いは少なくとも3つの原因から生じる:(1)IgGは完全な球状分子ではなく、このため沈殿によって測定される移動度はより低いはずである;(2)IgGの密度は正確に分からないため、この不確実性が第2の計算で誇張され、第1で最小化される;(3)第2の計算で用いるスヴェードベリ係数は既知の近似に過ぎない。ある実施形態では、IgGの移動度は2×107s/gと見積もることができる。] [0027] 確実にタンパク質濃度を測定することが抗体または抗体様分子に関する豊富なアッセイの開発に結びついた。種々様々のイムノアッセイがこの分野では知られており、本書で用いられる。下記の幾つかの記載は結合剤として抗体を使用するが、アプタマ、抗体フラグメント、例えばFabフラグメントと同様に特別に設計された結合剤、またはアプタマなどの多くの他の作用物質が本書で取り扱われる。ある実施形態では、信号方式の選択が重要であるが、必ずしも本書で開示された方法の中心とならない。蛍光タグは本書で開示された結合剤に結合させることができる。例えば、FITCやローダミンなどの分子は抗体に結合させて蛍光信号を提供することができる。他の実施形態では、比色測定法が望まれる場合、複合酵素は結合剤、例えばアルカリホスファターゼやワサビペルオキシダーゼに結合させることができ、または導電率アッセイが望まれる場合、炭酸脱水酵素またはウレアーゼなどの酵素と結合させることができる。これらの実施形態に応じて、酵素アッセイは適切な酵素基質の追加を一般に要求する。] [0028] イムノアッセイ イムノアッセイは「不均一」または「均一」の何れかとして特徴づけることができる。これらの用語が何を意味するのかに関して当業者による幾つかの混乱が存在する。幾つかのケースでは、用語「不均一」は結合した複合体が検出前に未結合の分子から(任意の手段によって)分離されることを示唆するが、用語「均一」は分離が殆どまたは全く起こらないことを示唆する。本書で用いる用語「不均一」は、アッセイが固体相と溶液相の双方を使用することができ、固体相に複合体を付着することで複合体の検出前に未結合の分子を洗い流す(または相に依存して結合した分子を洗い流す)ことができる。さらに本書で用いる用語「均一」は結合、分離(もし有れば)、および検出ステップが溶液相中で発生することを意味する。多くの場合、殆どの分離または洗浄ステップは固体担体との結合に関係するので、これらの異なる定義はアッセイの分類方法では殆ど違わず、このため分離や洗浄に関係するアッセイは何れかの定義によって不均一として分類されるであろう。例外は電気泳動による分離であり、アッセイは第1セットの定義によって不均一と、また第2セットの定義によって均一とおよそ分類されるであろう。開示される実施形態は主に第2セットの定義によるものと解される。] [0029] したがって、本書のある実施形態で開示するように、不均一アッセイは試験手順において抗体−標的分子複合体を表面に結合し、次いで存在を判定する前に未結合の標的分子、サンプル中の他の作用物質、および未結合の抗体を洗い流し、および/またはサンプル中の標的分子の量を測定することを含む。一方、均一アッセイはサンプルと抗体を共に混合することができ、表面への結合または洗浄なしで測定されるサンプル中の標的分子の存在を判定し、および/またはその量を測定することを含む。] [0030] 不均一アッセイは高感度と特異性を有し、非常に高いスループットの試験方式を提供する構成で行うことができる。これらの構成は、殆どの標的分子の試験にも適している。一制限は、相対的に高度な器具が多数実行するのにゆっくりした試験時間を必要とし、表面結合および洗浄ステップに関連する付加的なコストを含むことである。] [0031] 均一アッセイは非常に高速であり、新しいタンパク質、ペプチド、他の分子、および基盤に容易に適応することができ、かつ、コスト的に非常に効果的にすることができる。制限は潜在的に低い特異性と感度を含むことである。さらに、これらの構成は小さな標的抗原に制限されるかもしれない。したがって、均一および不均一アッセイの双方は、必要とするアッセイサンプルと標的分子に応じて本書で取り扱われる。] [0032] 定量競合イムノアッセイの一実施形態は、固体担体に結合する抗体と、抗体に結合可能な溶液中の標識化した標的または未標識の標的の双方とを含むことができる。標識化された標的は、限られた数の抗原結合部位に対して未標識の標的と競合する。標的分子上の標識は放射性同位元素、酵素、または蛍光分子とすることができる。この種類のイムノアッセイを用いて生成された信号は、未標識の標的の濃度に反比例する。] [0033] 多くの均一競合イムノアッセイがこの分野に存在する。一般に結合分離と遊離配位子は大抵必要ではなく、器具類が単純化するので、均一イムノアッセイは有益である。本書では全ての結合が溶液相中で発生するため、これらの方法は高速な傾向がある。] [0034] これらの技術の一般的な利点は、(1)一つの結合剤、例えば抗体のみを必要とすることによるアッセイ開発の単純化と、(2)従来の2サイトアッセイよりも一般に高速なアッセイ時間と、(3)広い解析範囲に渡る定量測定と、(4)2つの抗体の同時結合を可能とする程小さい標的への作業能力(例えばサンドイッチ分析)とを含む。] [0035] 均一イムノアッセイは、標的濃度に反比例する1以上の信号を提供する。小さな信号の小さな変化を大きな信号の小さな変化よりも確実に測定することができるので、この事実はこの技術による低濃度の測定を非常に困難にする。特異性は一つの結合現象に由来しているに過ぎず、均一アッセイの感度は高品質の抗体を用いて改善することができる。] [0036] 幾つかの一般的な技術の記載が幾つか後続する。この記載は完全ではなく、この分野では知られている他の均一競合アッセイを排除することを意図していない。] [0037] 最も初期の均一競合アッセイの幾つかは、不溶性の抗原−抗体複合体の形成モニタリングに関係しており、例えば多クローン性抗体を用いる。簡単に言えば、標的特有の多クローン性抗体は標的上の多数のエピトープを認識することができ、二価であるので、標的と抗体の濃度がほぼ等しい場合に標的と抗体の大きな複合体を形成することができる。これらの複合体は、それらが溶けなくなるまでサイズを増加することができる。これらの不溶性複合体は、サンプル基体を透過する光を妨害するか、散乱する。散乱光は比濁分析によって測定することができ、または逆にサンプルを通った光の減衰を比濁分析によって測定することができる。生成された信号は、サンプル中に存在する標的の量に比例する。この技術は、相対的に高いレベルで存在する検体であって、多数の抗原結合部位を有する程十分なサイズの検体に対して良く機能する。標的濃度が抗体結合部位数をますます上回るにつれ、多数の抗体が同一の抗原と同時に結合する能力が低減することに注意されたい。したがって、アッセイ混合物中の精製抗原の既知濃度を含むことによって、抗原−抗体複合体の形成が最大化され、アッセイを競合的にすることができ、分析すべきサンプルへの抗原の付加が複合体形成の低減をもたらす。幾つかの制限は、多重結合部位の必要性と低濃度測定の不適応を含むことである。この方法もサンプル基体の変形と特異性の欠如によって影響を受ける場合がある。] [0038] さらなる均一競合イムノアッセイは、蛍光偏光免疫測定法(FPIA)である。FPIAは、溶液中の分子または複合体の回転速度に依存する。より大きな分子または複合体は、より小さな分子または複合体よりゆっくり回転する。適切な波長の偏光がサンプル中を透過するとき、分子または複合体が十分ゆっくり回転している場合に蛍光の放射光の偏光が維持される。蛍光に標識化された未結合の標的が回転速度が十分速くなる程十分に小さい場合、次いで放射光の偏光が取り除かれる。蛍光に標識化された標的が特定のIgGに結合する場合、複合体の質量が増加し、回転速度を遅くし、放射光の偏光を維持する。] [0039] あるシステムでは、FPIAアッセイ系は標的−特定抗体、蛍光に標識化された標的、および定量化すべき未標識の標的を含む。標識化された標的または未標識の標的は、特定のIgG上の限られた数の結合部位に対して競合する。偏光した蛍光信号は、未標識の標的の濃度に反比例する。この方法は簡易さと速度に魅力がある。FPIAは小分子の標的に限定され、感度のため解析範囲を犠牲にする。] [0040] 幾つかの他の競合的均一アッセイ、例えばCEDIA(登録商標)、EMIT(登録商標)、補欠分子団イムノアッセイ、エンザイムチャネリングアッセイ、基質標識蛍光イムノアッセイがある。これらの方法は競合的であり、一般的に標的に抗体を結合する際に酵素または酵素複合体の活性化または不活性化に関係する。これらの方法はFPIAに類似する利益および制限を有する。] [0041] アフィニティプローブキャピラリ電気泳動(APCE) キャピラリ電気泳動は、イオン緩衝液で満たされた長いキャピラリの両端にある正極と負極に帯電させた電極によって電圧を印加し、これにより一方の電極または他方の電極へ荷電分子を移動させることに関係している(Oda and Landers,1997)。一つの共通する複雑さは「電気浸透流」として知られている。ガラスキャピラリは負極に帯電した表面を有する傾向があり、これは表面近傍の溶液中の正極に帯電したイオンに関係している。これら正極に帯電したイオンは、大量の溶液を引き連れて負極(カソード)へ移動する。以前流れた際の帯電に拘わらず一つの検出器が全てのイオン種を分析するので、この電気浸透流は全てのイオンをカソードの方へ移動させ(異なる速度で)、適した用途に通常適用される。電気浸透流は、キャピラリ壁の電気特性の変化によって除去またはさらに逆流にすることができる。] [0042] APCEについては、標的分子が検出分子、通常蛍光プローブに結合した同族抗体と共に培養される。この混合物は次にキャピラリに注入され、電圧が印加されて電気浸透流を設定する。遊離標的、遊離抗体および標的/抗体複合体は異なる速度で移動するため、蛍光検出器(遊離標的は信号をもたらさない)によって別個のピークとして検出することができる。] [0043] 電気泳動 電気泳動は、固体担体に結合された複合体の洗浄の代わりに用いる技術であり、これにより通常不均一タンパク質アッセイであるものを均一アッセイに変換する。電気泳動は、サイズと電荷に基づいて分子(例えばタンパク質または核酸などの巨大分子)を分離するために一般に用いられる。正負電極は分離すべき分子を含む溶液中に配置され、電圧降下が電極間に適用される。一般に正極に帯電した分子は負極に帯電した電極へ移動するが、負極に帯電した分子は正極に帯電した電極へ移動する。一般に分子が移動する速度はその帯電に正比例し、そのサイズに反比例する。例えば、小さくて高電荷の分子は、大きくて低電荷の分子より速く移動する。しかしながら、密に詰まった分子は、緩く結合した分子より速く移動し、その結果同一の重量および電荷の2分子が異なる速度で移動する。より高い電圧降下はより高速の移動を発生させるが、溶液中の他の荷電分子のより高い濃度はより遅い移動を発生させる。] [0044] この分野では既知の電気泳動に多くの変形が存在する。分子がキャピラリ管内で移動する溶液は通常自由でよく、または分子は基体に埋め込まれてもよい。一般的な基体はポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、および濾紙を含む。基体は、サイズによって分子をふるいに掛ける役目をし、より良い分離に導く。溶液のpH(酸度)は分子の帯電に影響し、分子の移動速度に影響を与えるように変化される(基体の一方の端部から他方の端部まで)。溶液は尿素などの変性剤を含み、これはタンパク質と核酸分子を広げさせ、その結果同一の重量および帯電の分子の移動速度が同一になる。電気泳動すべきサンプルは、SDSなどの洗浄剤で準備され、これは全てのタンパク質を覆い、帯電差を無効にし、その結果移動速度は帯電ではなく重量に依存する。しかしながら、例えば抗体、抗体フラグメント、またはアプタマなどの結合剤を必要とする大抵のアッセイについては、タンパク質および結合剤の双方が天然に近い状態を維持する必要があり、その結果pHを変化するか、タンパク質の変性するプロセスが一般に実行可能な選択ではない。] [0045] タンパク質の検出 本書のある実施形態は、不均一競合アッセイを均一競合アッセイに変換することに関する。一実施形態では、不均一競合イムノアッセイは、均一競合イムノアッセイに変換することができる。幾つかの実施形態では、これらの変換の利点は幾つかの労働集約型で高価なステップと、不均一競合イムノアッセイに通常関連した制限とを低減することを含む。さらに、これらの変換は均一イムノアッセイの幾つかの構成を可能にする。他の実施形態では、他の潜在的な力学上の利点は本書でほぼまたは完全に取り扱う溶液相中でアッセイを行うことに関連する。さらに他の実施形態では、より大きな分子用の均一競合アッセイの組成物、方法、および装置が取り扱われる。例えば、これらのアッセイはイムノアッセイまたは他の結合剤を用いたアッセイとすることができる。ある実施形態では、競合イムノアッセイは、低コストで、時間でなく分単位で、標的分子に対して高感度で行うことができる。] [0046] 例示的な実施形態では、使用する作用物質は、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、カリケアマイシン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルマスティン、セレブレックス、クロラムブチル、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシン、グルクロニド、ダウノルビシン、デクサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、ドキソルビシン、2−ピロリノドキソルビシン(2P−DOX)、シアノモルホリノドキソルビシン、ドキソルビシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エトポシドグルクロニド、リン酸エトポシド、フロクスウリジン(FUdR)、3’,5’−O−ジオレオイルフロクスウリジン(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ゲムシタビン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、酪酸フェニル、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、PSI−341、セムスチンストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン、タキソール、プロピオン酸テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、ウラシルマスタード、ベルケード、ビンブラスチン、酒石酸ビノレルビン、ビンクリスチン、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、オンコナーゼ、rapLRl、デオキシリボヌクレアーゼ1、ブドウ球菌腸毒素A、アメリカヤマゴボウ抗ウイルス蛋白、ゲロニン、ジフテリア毒素、緑膿菌外毒素、シュードモナス内毒素、アンチセンスオリゴヌクレオチド、干渉RNA、またはそれらの組み合わせの1以上を含む。] [0047] アプタマ ある実施形態では、用いる結合剤はアプタマでもよい。アプタマの結合特性を構成および測定する方法はこの分野で周知である。例えば、そのような技術は、米国特許第5,582,981号、第5,595,877号、および第5,637,459号に記載されており、参照により本書にそれぞれ組み込まれる。] [0048] アプタマは、合成法、組み換え法、および精製法を含む何れかの既知の方法によって準備され、単独または同じ標的に対して特異的な他の配位子と組み合わせて用いてもよい。一般に、最低約3つのヌクレオチド、好ましくは少なくとも5つのヌクレオチドが特異的結合を達成するのに必要である。10、20、30、または40のヌクレオチドのアプタマが好適であるが、10ベースより短い配列のアプタマが利用可能である。] [0049] アプタマは、結合特異性を与える配列を含む必要があるが、フランキング領域で拡張され、そうではなく誘導体化されてもよい。さらなる実施形態では、フランキング配列は1つの部分を優先的に認識または結合する特異的な配列を含んでもよく、基体へのアプタマの固定を強化する。] [0050] アプタマは、従来のDNAまたはRNA分子として分離され、配列され、および/または増幅もしくは合成されてもよい。あるいは、アプタマは修正済みのオリゴマを含んでもよい。アプタマ中に通常存在する水酸基の何れかは、ホスホン酸基、リン酸基によって置換されてもよいし、標準保護基によって保護されてもよいし、もしくは他のヌクレオチドへの付加的な結合を用意するために活性化されてもよいし、または固体担体に結合してもよい。1以上のリン酸ジエステル結合は、P(O)S、P(O)NR2、P(O)R、P(O)OR’、CO、またはCNR2によって置換されたP(O)Oなどの代替結合基と置換され、ここでRはHまたはアルキル(1−20C)であり、R’はアルキル(1−20C)である。さらに、この基はOまたはSを介して隣接するヌクレオチドに接続する。オリゴマ内の全ての結合が同一である必要はない。] [0051] 特異的結合配列を測定する本発明のプロセスでは出発物質として用いられるアプタマは、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAでよい。好適な実施形態では、配列は一本鎖DNAであり、これはRNAよりヌクレアーゼ分解を受けにくい。好適な実施形態では、出発アプタマは無作為化された配列部分を含み、約10乃至400のヌクレオチド、好ましくは20乃至100のヌクレオチドを一般に含む。無作為化された配列は、標的に結合すると分かったアプタマを増幅することができるプライマ配列によって側面を守られる。無作為化された部位の合成については、無作為化が望まれる位置にあるヌクレオチドの混合物が合成中に加えられるかもしれない。] [0052] 特別に標的分子と結合するアプタマの準備および検査の方法は、この分野で周知であり、本書で取り扱われる。この技術は、一般に候補アプタマの混合物からの選択と、未結合アプタマから結合、分離、および増幅の段階的な繰り返しとに関する。最も高い親和性アプタマに対応する少数の配列だけ(恐らくアプタマのたった1つの分子)が混合物中に存在するので、一般に分離する基準を設定することが望ましく、その結果混合物(約5乃至50%)中のアプタマのかなりの量が分離中に保持される。各サイクルは、標的に対して高親和性を有するアプタマの濃縮に帰着する。3乃至6回の選択と増幅のサイクルの繰り返しを用いることで、標的分子に高親和的および特異的に結合するアプタマを生成してもよい。] [0053] 造影剤と放射性同位元素 ある実施形態では、標的分子、例えばペプチドやタンパク質が様々な病気の器官、組織、または細胞タイプのイメージングおよび診断に使用する造影剤に付着されてもよい。多くの適切な造影剤がこの分野では知られており、タンパク質やペプチドに対するそれらの付着方法も同様である。ある付着方法は、例えばタンパク質やペプチドに付着されたDTPAなどの有機キレート剤を用いる金属キレート錯体の使用に関する。また、グルタルアルデヒドや過ヨウ素酸塩などのカップリング剤の存在中で酵素と標的分子を反応させてもよい。蛍光マーカとの結合は、これらのカップリング剤の存在中またはイソチオシアナートとの反応によって準備される。] [0054] 造影剤として利用可能な常磁性イオンの非限定的な実施例は、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、およびエルビウム(III)を含み、ガドリニウムが特に好適である。X線画像診断など他の用途で役立つイオンは、ランタン(III)、金(III)、鉛(II)、および特にビスマス(III)に限定されないが、これらを含む。] [0055] イメージングや治療薬として利用可能な放射性同位元素は、アスタチン211と14カーボン、51クロム、36塩素、57コバルト、58コバルト、銅62、銅64、銅67、152Eu、フッ素18、ガリウム67、ガリウム68、3水素、ヨウ素123、ヨウ素124、ヨウ素125、ヨウ素131、インジウム111、52鉄、59鉄、32リン、33リン、レニウム186 、レニウム188、Sc47、75セレン、銀111、35硫黄、テクニシウム94m、テクニシウム99m、イットリウム86、およびイットリウム90を含む。125Iはある実施形態の用途にしばしば好適であり、テクニシウム99mとインジウム111もそれらの低エネルギと広範囲検出の適合性によりしばしば好適である。] [0056] 放射能で標識化されたタンパク質やペプチドは、この分野の周知の方法によって生成されてもよい。例えば、ナトリウムやヨウ化カリウムおよび次亜塩素酸ナトリウムなどの化学酸化剤、またはラクトペルオキシダーゼなどの酵素酸化剤との接触によって、それらはヨウ素化することができる。タンパク質やペプチドは、配位子交換プロセス、例えば亜錫酸溶液でペルテクネートを低減し、セファデックスカラム上に低減したテクネチウムをキレート化し、このカラムにペプチドを適用することによって、または直接標識化技術、例えばペルテクネート、SNCl2などの還元剤、フタル酸ナトリウム−カリウム溶液などの緩衝液溶液、およびペプチドを培養することによって、テクネチウム99mで標識化されてもよい。金属イオンとして存在する放射性同位元素をペプチドに結合するためにしばしば用いられる媒介官能基は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、DOTA、NOTA、ポルフィリンキレート化剤、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む。またローダミン、イソチオシアン酸フルオレセイン、およびレノグラフィンを含む蛍光標識の使用も取り扱われる。] [0057] ある実施形態では、クレームされたタンパク質やペプチドは、第2の結合配位子や、色素形成基質と接触した際に有色の生成物を生成する酵素(酵素タグ)に連結されるてもよい。適切な酵素の実施例は、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼ、(セイヨウワサビ)水素ペルオキシダーゼ、およびグルコースオキシダーゼを含む。好適な第2の結合配位子は、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジンの化合物である。そのような標識の使用は当業者に周知である。これらの蛍光標識は、体外利用に好適であるが、体内アプリケーション、特に内視鏡検査や血管内の検出処理に有益かもしれない。] [0058] 代替実施形態では、標的分子は蛍光マーカでタグ付けされてもよい。写真検出可能な標識の非限定的な実施例は、Alexa350、Alexa430、AMCA、アミノアクリジン、BODIPY630/650、BODIPY650/665、BODIPY−FL、BODIPY−R6G、BODIPY−TMR、BODIPY−TRX、5−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン、5−カルボキシフルオレスセイン、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシテトラメチルアミノ、CascadeBlue、Cy2,Cy3,Cy5,6−FAM、ダンシルクロリド、フルオレセイン、HEX、6−JOE、NBD(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)、OregonGreen488、OregonGreen500、OregonGreen514、PacificBlue、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレシルファストバイオレット、クレシルブルーバイオレット、ブリリアントクレシルブルー、パラアミノ安息香酸、エリトロシン、フタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、スクシニルフルオレセイン、希土類金属クリプタート、ユーロビウムトリスビピリジンジアミン、ユーロビウムクリプタートあるいはキレート化合物、ジアミン、ジシアニン、LaJolla青色染料、アロフィコシアニン、アロコシアニンB、フィコシアニンC、フィコシアニンR、チアミン、フィコエリスロシアニン、フィコエリトリンR、REG、RhodamineGreen、ローダミンイソチオシアネート、RhodamineRed、ROX、TAMRA、TET、TRIT(テトラメチルローダミンイソチオール)、テトラメチルローダミン、およびTexasRedを含む。これらおよび他の発光標識は、MolecularProbes(オレゴン州ユージーン(Eugene))などの市販品から得られる。] [0059] 使用する化学発光標識化化合物は、ルミノール、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸塩エステル、またはルシフェリン、ルシフェラーゼ、およびエクオリンなどの生物発光化合物を含んでもよい。診断的免疫複合体は、例えば手術中、内視鏡検査、または血管内腫瘍もしくは病気の診断に用いてもよい。] [0060] 様々な実施形態では、使用する標識は金属ナノ粒子を含んでもよい。ナノ粒子の準備方法は既知である。ナノ粒子も市販品(例えばニューヨーク州ヤファンク(Yaphank)のNanoprobes社)から得られる。修正済みナノ粒子は、Nanoprobes社(ニューヨーク州ヤファンク)のNanogold(登録商標)ナノ粒子などを市場で入手可能である。タンパク質やペプチドへの結合に用いる機能的ナノ粒子は市場で得られる。] [0061] 架橋剤 幾つかの実施形態では、タンパク質やペプチドは、ホモ二官能、ヘテロ二官能、および/または光活性架橋試剤などのこの分野で既知の様々な架橋試剤を用いて標識化してもよい。そのような試剤の非限定的な実施例は、ビシミダート;1,5−ジフルオロ−2,4−(ジニトロベンゼン);スベリン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル;酒石酸ジサクシンイミジル;ジメチル−3,3’−ジチオ−ビスプロピオンイミダート;N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸塩;4−(ブロモアミノエチル)−2−ニトロフェニルアジド;および4−アジドグリオキサールを含む。例示的な実施形態では、酸性残基をアミノ基や他の基に架橋するためにDCCDやEDCなどのカルボジイミド架橋剤を用いてもよい。そのような試剤を修正して蛍光標識などの多種類の標識を付着してもよい。] [0062] 二官能架橋試剤は、様々な目的に広範囲に用いられてきた。2つの同一官能基を運ぶホモ二官能試剤は、同一および異なる高分子間または高分子のサブユニット間の架橋を引き起こし、それらの特異的結合部位にポリペプチド配位子を連結することおいて非常に効率的であることが分かった。ヘテロ二官能試剤は、2つの異なる官能基を含む。2つの異なる官能基の異なる反応性の利用によって、選択的および連続的の双方で架橋を制御することができる。二官能架橋試剤は、例えばアミノ、スルフヒドリル、グアニジノ、インドール、カルボキシルの特定基の官能基の特異性によって分離することができる。これらのうち、遊離型アミノ基に導く試剤は、それらの市場での入手性、合成のし易さ、および適用される穏やかな反応条件の理由で特に一般的になった。ヘテロ二官能架橋試剤の大多数は、第一アミン反応基とチオール反応基を含む。] [0063] 別の実施例では、ヘテロ二官能架橋試剤と架橋試剤の使用方法が記載される(参照により本書に組み込まれる米国特許第5,889,155号)。架橋試剤は、求核性ヒドラジド残渣を求電子性マレイミド残渣と結合し、一実施例でアルデヒドを遊離型チオールに連結するのを可能にする。架橋試剤を修正することで、様々な官能基を架橋することができる。] [0064] この分野で知られているように、何れかの識別可能な要素は、何れかのやり方でサンプル中の検出用の標的分子に共有結合で連結または接続されてもよい。] [0065] 記号: a=遠心加速度[cm/s2] e=電子または陽子の単位電荷[1.6×10−19C(クーロン)] f=作用力[gcm/s2] ff=摩擦力[gcm/s2] r=分子の流体力学半径[cm] m=移動度[s/g] M=分子量[g/mole] N=アヴォガドロ数(6.023×1023/mole) s=スヴェードベリ係数[10−13s] u=電気泳動度[cm2/s−V] v=流体中の粒子速度[cm/s] z=分子の総電荷 η=流体の粘度[g/cm−s] ρ=分子の密度[g/cm3] ρf=流体の密度[g/cm3] ψ=電界[volt/cm]] [0066] ] [0067] コンピュータソフトウェア 本書で取り扱うある実施形態では、反応室と1以上の反応室(例えばEVEIAアッセイとEVEIA機器)を有するシステムに関し、本書で開示される方法に用いるソフトウェアアプリケーションは、そのような方法についてこの分野で既知の何れかのソフトウェアを用いて記述することができる。ソフトウェア開発プログラム、例えば購入済みハードウェアと共に供給されたドライバに接続するためのアダプタソフトウェアを含む、Java(登録商標)DevelopersKit(例えばJDK1.5.06)およびEclipse統合開発環境(例えばバージョン:3.2)を用いることができる。本書で用いるソフトウェアは、記述した100以上のクラス(ソフトウェアモジュール)から成る高度なモジュールであり、これは次にJDKに含まれる何百ものクラスに依存する。EclipseIDEは、アドバンストコードエディタをコンパイラおよびファイル管理システムに結合する。] [0068] ソフトウェアのユーザは、少なくとも3つの異なる一組のアプリケーションを見る。一アプリケーションでは、ソフトウェアが装置を制御し、データを集めてファイルに保存し、実行中にリアルタイム表示を提供する。別のアプリケーションでは、ソフトウェアは実行中に生成されたデータの再表示を提供する。さらに、第3のアプリケーションは異なる実行からデータを比較することができる。全てのアプリケーションは、簡易データ分析(ピークの高さと面積)を行うことができる。] [0069] 他の実施形態では、制御アプリケーションは2以上のウィンドウから成る。少なくとも1つのウィンドウは、カメラによってキャプチャされた画像を表示し、ユーザーが画像分析用の関心領域を選択する手段を提供する。少なくとも第2のウィンドウは、露光時間、露光間隔、および実行の合計長さを含むアッセイデータの取得制御を提供する。このとき、計測器の制御は、所定の時および所定の時間中レーザを作動し(または同じ結果を得るためにシャッタを制御し)、所定の露光時の画像をキャプチャするようにカメラに要求し、この画像をコンピュータにダウンロードするように要求することに限定される。また前回保存済みの実行から基準線のデータを取得またはロードすることができる。各実行で保存されたファイルは、配列で保存された個々の各時点の未加工データを含む。(次の段落で詳述されるように)データの表示方法を変更しても保存されるデータは変更されない。] [0070] ある実施形態ではまた、制御アプリケーションの第2のウィンドウ(図13A−13B参照)がリアルタイムにデータを表示し、データの表示方法を変更する手段を提供する。データは、各露光の関心領域の生画像として(例えば図12の左パネルを参照)、軸方向の位置に対して関心領域を半径方向に渡って平均した画像強度のプロットとして、またはその双方で表示してもよい。各プロットのy−目盛りの高さと隣接プロット間のy−重複の量(無しから完全重複まで)は、グラフィカルユーザインタフェースを介してリアルタイムに全て変更されてもよい。さらに、簡易データ分析(ピークの高さと面積)用にプロット領域がユーザによって選択されてもよく、これはリアルタイムに表示される。このデータ表示の特徴は一組のアプリケーション全てに共通しており、同一のクラスが全てのケースで用いられるので、モジュール方式のソフトウェアの一実施例である。] 図12 図13A [0071] 他の実施形態では、第2のアプリケーションは制御アプリケーションに保存された任意の実行を再生(例えば図13B参照)することができる。外観では、これは制御アプリケーションの第2のウィンドウとほぼ同一である。しかしながら、実行制御と関係するボタンと領域は保存済みの実行を検索し、この表示方法を制御するのに必要なボタンと領域に置き換えられる。例えば、保存済みの実行は、表示されるプロット数を一つに制限することによって、かつ200ミリ秒間隔で表示される一連のプロット(個々の時点を示す)を表示することによって動画として再表示されてもよい。] 図13B [0072] さらに他の実施形態では、第3のアプリケーションは異なる実行に対して保存されたデータからプロットを表示および比較することができる(例えば図14参照)。10個の異なる実行の最新の保存済みファイルが選択されて表示されてもよい。各実行の任意の1プロット(一時点を示す)が、選択された他の全ての実行の1プロットと共に表示されてもよい。時点は、個々の実行について前方または後方の何れかの順に、または全実行について横並びで表示されてもよい。] 図14 [0073] システム アッセイを実行するように設計されたシステムに関し、本書で開示された他の実施形態は、アッセイからデータを集めて、本書で取り扱うアッセイ情報を分析する。他の実施形態は、本書で開示される方法によって提供されたデータを分析、読み込み、保存、および/または操作するシステムに関する。これらの実施形態に従い、本書で開示されたシステムの一部の装置は反応室とすることができる。例示的な一反応室は、少なくとも1つの電極端子(902)に操作可能に接続された少なくとも2つの電極(例えば白金電極、陽極および陰極)(901)を限定せずに含むことができる。さらに、各電極は反応室の各端部(例えば頂部と底部)にある少なくとも1つの緩衝液リザーバ(903)内に配置され、各緩衝液リザーバは少なくとも1つのゴム製ガスケット(例えばシリコン)(904)を有している。反応室を構成するこれらの要素に従い、反応室は1以上の透析膜(905)(例えば反応室の頂部と底部に)と、少なくとも1つの石英反応チャネル(906)と、少なくとも1つのチャネルブラケット(907)と、少なくとも1つの緩衝液リザーバと少なくとも1つの反応チャネルとの間に配置した少なくとも2つの電圧放出チャネル(908)をさらに具える。] [0074] 本書で開示された他の実施形態は、システムの一部である反応室を含む装置を含む。本書で取り扱うシステムは、電圧源と、反応室(900)と相互に作用するように配置されたレーザ(例えば連続波レーザ)(1001)と、レーザから出射されたレーザ光線(1002)と、反応室(900)内のトレーサブル剤−標的分子複合体により下方に曲がったレーザ光線からのビーム放射を導くことができる整形プリズム(例えばレーザー線ビーム整形プリズム)(1003)と、反応チャネル(906)と、光放射(例えば放射された蛍光)(1006)と、カメラ(例えば電荷結合素子カメラ)(1008)に操作可能に接続されたレンズおよびフィルタ(1007)と、任意に、システムからデータを受信するコンピュータとを限定せずに含むことができる。ある実施形態では、システムは反応室上にサンプルを積載する(例えば自動化された)ローディング装置(1101)と、1つの反応室から回転ドラムの周囲に配置した多数の反応室(1103)を回転することができる回転ドラム(1102)とを含むことができる。このシステムの1つの特徴は、トレーサブル剤と検出システムを用いて標的分子の存在または不在を測定する機能であり、標的分子の検出または濃度測定は、1時間以下、45分以下、30分以下、または15分以下で評価することができる。] [0075] 本書で取り扱う他の実施形態は、本書で開示された組成物と方法によって得られたデータを保存し、操作し、表示するコンピュータとコンピュータソフトウェアを含むことができる。ある実施形態では、例えば図12に示されるように、例示的なソフトウェアのスクリーンキャプチャはカメラ(1008)によってキャプチャされた画像を含んでもよい。本書で取り扱うソフトウェアプログラムのさらなる実施形態は、分析すべき領域の選択、例えばバンド強度分析、および/または標的分子複合体の濃度評価を可能としてもよい。これらの実施形態に従って、コンピュータソフトウエアプログラムが多数の反応室実験の評価と分析および様々なサンプル中の標的分子の分析を可能とすることが予想される。例えば、図12に示されるように、各アッセイの実行に対する右ウィンドウのパラメータは露光時間、露光間隔、露光数を設定することができ、次にデータが表示されてデータのオンライン分析を可能にする。] 図12 [0076] 光の軸伝搬 本書で開示された幾つかの実施形態は、励起光が反応室に軸伝搬することができるシステムまたは装置に関係し、反応室の壁を介して検出が行われる。カラムまたはベッセルの壁を通った光の伝搬に関するこの技術の一利点は、カラム全長に渡って元の光源の十分な強度を伝えることができるということである。ある実施形態では、光がカラムの壁を通って伝搬する場合、光はカラムの長さを効果的に覆うように広がる必要があり、これによってその強度が低減する。他の実施形態では、伝搬する光(例えばレーザー光線や他の比較可能な光)は平行にされてカラムの至る所で均一な強度分布にする必要がある。光は軸方向に向けられて光源から直接カラムを通るか、またはミラーやプリズムによって光源が導かれる。任意に、光がカラム底部を介して伝搬される場合、光学的に透明なウィンドウ(例えばサファイア、石英、ガラス、または光学的に透明なプラスチック)または均等物がカラムの底部に配置されて光を入射できる必要がある。他の実施形態では、光がカラム頂部を介して伝搬する場合、カラム頂部の流動性の構成要素によって形成された凹凸レンズのレンズ効果に対処するために追加のステップが必要かもしれない。] [0077] 例示的なコンピュータシステムの概要 本発明の実施形態は様々な要素を含み、これはハードウェアの構成要素によって実行またはマシン実行可能命令で実装されてもよく、これを使用して命令をプログラムした汎用または専用のプロセッサにこの要素(例えば図21参照)を実行させてもよい。あるいは、このステップはハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせによって実行されてもよい。そのため、図20は実施形態が利用するコンピュータシステム2000の一例である。1つの例示的な方法によれば、コンピュータシステムはバス2001、少なくとも1つのプロセッサ2002、少なくとも1つの通信ポート2003、および主記憶装置2004を含む。システム2000は、リムーバブル記憶装置(図示せず)、ReadOnlyMemory2005、および/または大容量記憶コンポーネント/デバイス2007も含んでよい。] 図20 図21 [0078] プロセッサ2002は、Intel(登録商標)Itanium(登録商標)もしくはItanium2(登録商標)プロセッサ、またはAMD(登録商標)Opteron(登録商標)もしくはAthlonMP(登録商標)プロセッサ、またはMotorola(登録商標)系プロセッサを限定せずにを含む任意の既知のプロセッサとすることができる。通信ポート2003は、モデムベースのダイアルアップ接続に用いるRS−232ポート、銅またはファイバを用いる10/100イーサネット(登録商標)ポートまたはギガビットポートの何れかとすることができる。通信ポート2003は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはコンピュータシステム2000が接続する何れかのネットワークなどのネットワークにより選択されてもよい。] [0079] 主記憶装置2004は、RandomAccessMemory(RAM)、またはこの分野では一般に既知の他の動的記憶デバイスとすることができる。ReadOnlyMemory2005は、プロセッサ2002の命令などの静的情報を保存するプログラマブルROM(PROM)チップなどの任意の静的記憶デバイスとすることができる。] [0080] 大容量記憶装置2006は、情報と命令を保存するために用いることができる。例えば、Adaptec(登録商標)ファミリのSCSIドライブなどのハードディスク、光ディスク、RAIDなどのアレイディスク、AdaptecファミリのRAIDドライブ、または任意の他の大容量記憶装置が用いられてもよい。] [0081] バス2001は、プロセッサ2002を他のメモリ、ストレージ、および通信ブロックと連結する。バス2001は、PCI/PCI−Xまたは使用する記憶デバイスによってSCSIベースのシステムバスとすることができる。] [0082] リムーバブル記憶装置は、何れかの種類の外部ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ、IOMEGA(登録商標)ZipDrives、CompactDisc−ReadOnlyMemory(CD−ROM)、CompactDisc−Re−Writable(CD−RW)、DigtalVideoDisk−ReadOnlyMemory(DVD−ROM)とすることができる。ディスプレイ(図示せず)は、操作可能な任意のデバイスであり、パラメトリックモデルの視覚表示を提示し(例えばアッセイのリアルタイム実行表示)、本書の実施形態によりユーザーがパラメトリックモデルで見て、変更し、対話することができ、グラフィカルなウェブインタフェイスとコンピュータ用モニタを限定せずに含む。] [0083] 上述した構成要素は、幾つかの種類の可能性を例示するのが目的である。それらは例示的な実施形態に過ぎないので、前述の実施例は本発明の範囲を全く限定すべきでない。] [0084] 他の実施形態では、サンプル(例えば、標的分子を潜在的に有する)が準備され、例示的な反応室上に積載された後、結合したトレーサブル剤−標的分子複合体や未結合のトレーサブル剤−標的分子複合体の何れかから受信動作2101が発光データを受信する。別の受信動作2103は、データを受信し、標的分子の制御濃度に対する標準曲線を計算することができる。幾つかの実施形態2100では、受信動作のそれぞれは開示された1以上の方程式を使用してサンプル中の標的分子の濃度を計算してもよい。システムは、各オペレータの入力に基づいて1以上の標的分子を分析するように構成することができる。ある開示された方法およびまたは装置は未結合のトレーサブル剤−標的分子複合体ではなく、結合したトレーサブル剤−標的分子複合体を単に測定することが本書で取り扱われる。] [0085] 生成動作2103または2105は、受信データに基づいて標準曲線や可動度曲線を生成する。別の生成動作2107は、存在する場合に標的分子の濃度曲線を生成する。当業者は、標準曲線が生成動作2103および2105でどのように生成されるのかを容易に認識するであろう。] [0086] 導出動作2107は、サンプル中に存在する標的分子の量を導き出す。一般に導出動作2107は、操作者によって選択された代表的なサンプルのデータポイントや発光値に基づいて雛形データを生成する。] [0087] イムノアッセイ 信頼できる方法でタンパク濃度を測定する重要性は、抗体または抗体様分子に関する豊富なアッセイの開発に導いた。現在使用中の多種多様のイムノアッセイは、Gosling(1990)によって詳細に説明されており、参照により本書に組み込まれる。下記の記載は結合剤として抗体を用いるが、多くの場合にFabフラグメントまたはアプタマを代わりに用いることができる。しかしながら、本書で記載された方法と組成物はそのように限定しない。また、他の代替実施形態では、結合剤は例えば生物学的レセプタでもよい。そのような多くのレセプタ(例えばインシュリン受容体、インシュリン様増殖因子1受容体、アセチルコリン受容体、GABA受容体、アンギオテンシン受容体、グルカゴン受容体、ケモカイン受容体、サイトカイン受容体など)は、この分野において周知であり、そのような任意の既知レセプタまたはそれらのリガンド結合フラグメントは、クレームされた方法の実施に用いてもよい。] [0088] 濃度の検出およびまたは測定は、蛍光性、化学発光性、放射性、またはこの分野で既知の他のタグなどのシグナル部分を持った抗体または他の結合分子を標識化し、結合分子が標的と結合できるようにし、結合抗体に関連した光放射、放射能の量を検出または測定することによって一般的に提供される。大抵の場合、シグナリングシステムの選択は方法の中心とならない。蛍光信号用のFITCやローダミンなどの抗体に結合する分子は、比色測定法が望まれる場合アルカリホスファターゼやセイヨウワサビペルオキシダーゼなどの酵素、または伝導率アッセイ用の炭酸脱水酵素やウレアーゼなどの酵素で通常置換することができる。しかしながら、酵素によるアッセイは適切な基質の追加を必要とする。] [0089] 標的タンパク質(一次抗体)に結合する抗体にシグナリング分子を直接結合することに対する一般な代替案は、シグナリング分子に結合した二次抗体を使用することである。二次抗体は、ある種から全ての抗体に結合するように開発された抗体である(したがって異なる種にしなければならない)。例えば、抗体はラビット抗体を注入されたヤギから採取されてもよい。これらの二次抗体がシグナリング分子に変化する場合、次いで一次抗体に二次抗体を結合することで化学結合なしに一次抗体にシグナリング分子の付着が提供される。この二次抗体は同一種から派生した何れかの一次抗体にシグナリング分子を付着するために用いられ、これによりある程度のモジュール性をアッセイに与えることができる。] [0090] 不均一イムノアッセイは、結合が発生する固体担体の種類を特定せずにしばしば記載される。しかしながら、使用する固体担体の種類は任意のイムノアッセイプロセスの著しい変更を表し、異なるステップで要求される処理と時間の双方、および使用する検出の種類に時々影響を与える。例えば、その最も一般的な形態であるサンドイッチELISAは、微量定量プレートの容器底面への複合体の結合に関係しており、これは洗浄用試剤を簡単に手作業で導入することができ、蛍光または比色測定信号を容易に読み取ることができる。しかしながら、このアッセイは物質移動の制限により数時間掛かる場合がある。大量の溶液と表面の停滞層との間でタンパク質が平衡するのに時間が掛かり、複数回の洗浄が通常要求される。これらの問題は、結合が行われる表面として微小粒子を用いることによってある程度まで緩和され、これは表面を大量の溶液とのより密接に接触させ、同様に溶液の単位体積当りの結合に利用可能な表面積を有意に増加する。(粒子上の)固体相は、次に濾過や遠心分離の何れかによる洗浄中に溶液相から分離される。このプロセスは、常磁性粒子を用いることにより自動化することができ、これは溶液相から磁気的に容易に分離される。不均一イムノアッセイの殆ど全てがこれらの異なる表面を用いて修正することができる。] [0091] サンプル中の分子濃度の検出および/または測定に用いる2つの共通した種類のイムノアッセイがあり、これは本書で記載された方法と多少類似する。第1のサンドイッチELISAは、特異性の点からイムノアッセイのゴールドスタンダードと考えられる。この高度な特異性は、2つの別個の抗体を関心標的へ同時結合することにより達成され、また後述した方法で用いられる技術である。第2はアフィニティプローブキャピラリ電気泳動アッセイ(APCE)である。このアッセイは、関心標的を一つの一次抗体に結合し、次に未結合抗体から結合抗体を分離するためキャピラリ電気泳動デバイスを介して混合を行うことから成る。電気泳動分離は、全アッセイを溶液中で行うことができ、また後述した方法で用いられる技術である。] [0092] キット 本書の方法を実行するためのキットがここで取り扱われる。キットは限定されないが、1以上の反応室組成物と、開示した方法を実行する反応室を生成するためのコンテナとを含むことができる。あるいは、キットは開示したアッセイを行うためのサンプルを除いた試剤だけを含んでもよい。 サンドイッチELISA] [0093] サンドイッチ酵素結合免疫吸着剤検定法(ELISA)は以前から開発され、タンパク質検出用のゴールドスタンダードと考えられており、その主要な利点として非常に高い特異性と高精度性を示す。幾つかの欠点は、タンパク質を検出するのに関係する時間と、要求される大多数のステップ数である。しばしばELISAは、洗浄の厳格さと回数、および長時間の培養ステップにより実行に2乃至6時間掛かる。] [0094] ELISAの第1のステップは、一次抗体を容器底面の標的タンパク質に結合することであり、この表面はタンパク結合を促進するように準備される。この表面は次にウシ血清アルブミン(BSA)などの遮断剤で処理され、任意の残存する活性部位を結合し、これによって任意の他のタンパク質が結合して検査の特異性に影響を与えるようにする。容器は、遊離抗体と遮断剤を取り除くため複数回洗浄される。] [0095] 標的タンパク質を推定上含むサンプルが容器に加えられ、所定時間培養される。理想的には、この標的タンパク質だけが表面の抗体に結合し、他のタンパク質は遮断された表面や表面の抗体の何れにも結合しないであろう。複数回の洗浄が行われ、任意の非特異的に結合したタンパク質を取り除く。任意の非特異性タンパク質が結合する場合、次のステップがその効果を最小化する。] [0096] 検出分子と結合した二次抗体は容器に加えられ、標的タンパク質に結合することができる。この抗体の特異性のため、その殆ど全てが任意のタンパク質と結合せず、これは表面または一次抗体の何れか非特異的に結合する。複数回の洗浄が行われ、未結合の二次抗体の何れかを取り除く。この二次抗体は検出分子と結合するので、この二次抗体の濃度を測定し、元のサンプル中の標的タンパク質の濃度に関連付けることができる。] [0097] アフィニティプローブキャピラリ電気泳動(APCE) キャピラリ電気泳動は、イオン緩衝液で満たされた長いキャピラリの両端にある正極および負極に帯電した電極によって電圧を印加し、これによって一方の電極または他方へ帯電した分子を移動させることに関係する。一つの共通する複雑さは「電気浸透流」として知られている。ガラスキャピラリは負極に帯電した表面を有する傾向があり、これは表面近傍の溶液中の正極に帯電したイオンに関係する。これらの正極に帯電したイオンは、それらに大量の溶液を引き連れて負極(カソード)へ移動する。この電気浸透流は、カソードへ全てのイオンを移動させ(異なる速度で)、それらが以前流れた際の帯電に拘わらず一つの検出器が全てのイオン種を分析することができる。電気浸透流は、キャピラリ壁の電気特性を変えることによって除去され、またはさらに逆にすることができる。] [0098] APCEについては、検出分子、通常は蛍光プローブと結合した同族の抗体と共に標的分子が培養される。その混合物は次にキャピラリに注入され、電圧が印可され、電気浸透流を設定する。遊離標的、遊離抗体、および標的/抗体複合体は異なる速度で移動し(電気浸透流によって増加される)、このため蛍光検出器によって異なるピークとして検出することができる(遊離標的はシグナルを得られないはずである)。キャピラリ電気泳動は、ELISAアッセイより高速であるが、分析される少量のサンプル(キャピラリの小さなサイズによる)がサンプル中に非常に低濃度で存在するタンパク質や他の標的分子を検出する本方法の感度を制限する。] [0099] 標的分子の検出および定量用のエンハンストベロシティエレクトロイムノアッセイ(EVEIA) 本書の実施形態は、垂直積み重ねられた電気泳動に関するサンプル中の標的分子の存在もしくは不在および/または濃度を高速、高感度で検出および測定する方法を提供する。EVEIA技術の電気泳動の部分は、マイクロキャピラリより大量で高断面積のコンテナ中で起こるので、これらの実施形態はサンプル中に低濃度で存在する標的分子を検出できる方法である。ここで電気泳動は、0.5mm以上の最小の流体力学半径(円周で割った断面積の2倍)を備えたチューブ、チャネル、または他のコンテナ内で発生させてもよい。幾つかの実施形態では、例示的なチューブ内体積がチューブの長さ当たり2mm3以上である。他の実施形態では、最小の流体力学半径は、円周で割った断面積の2倍であり、0.5mm以上とすることができる。例えば、約0.75mmの流体力学半径は、2mm3/mmを提供する。円形チューブについては、流体力学半径は半径と同じとすることができる。本実施形態を用いて不規則に形成されたチャネル中の流れを説明することができる。] [0100] 本書で開示される他の実施形態では、本質的に無電荷の高分子剤は、直鎖状ポリアクリルアミド、部分的に架橋したポリアクリルアミド(例えば、固体ゲルの形成点未満で架橋され、組成物は流動性または液体のままである)デキストラン、またはポリエチレングリコール、または他の類似物質、または作用物質の組み合わせの1以上を含んでもよい。他の実施形態では、本質的に無電荷の高分子剤は、本書で開示される条件下でほとんど移動せず、例えばこれらの作用物質は100v/cmの印加電力下で約0.1乃至約1.0mm/秒で移動してもよい。ある実施形態では、密度を増加させる勾配はチューブ、チャネル、またはコンテナ内で1.0乃至1.1g/mlである。他の実施形態では、この勾配は限定されないが、密度1.0乃至1.02g/mlのサンプル層と、密度1.002乃至1.05g/mlの捕捉層と、密度1.01乃至1.1g/mlのスタッキング層とを含むことができる。本書で取り扱われる全ての実施形態では、スタッキング層は捕捉層より高い密度を有し、捕捉層はサンプル層より高い密度を有するであろう。任意に粘度も頂部から底部まで同様に増加されて、界面でスタッキング効果を生成してもよい。ある実施形態では、粘度が1センチポアズであるが、1.3を超えないであろう。他の実施形態では、2センチポアズが底部層の粘度に対する上限とすることができる。本書のある態様では、標的分子の電気泳動度の低減を引き起こす開示された複合体の形成に際して重量対帯電比が増加するであろう。複合体は非常に高い重量対帯電比を含むので、これはスタッキング層で本質的に不動になるが、未結合の要素はスタッキング層中を移動し、複合体から分離される。これは、短時間で標的分子の非常に低い濃度を検出することができる非常に高速で高感度のアッセイを提供することができる。] [0101] 幾つかの実施形態では、本書で開示される方法は以下のものから構成することができる: 1.標的分子への第1の結合剤を取得し、標的分子との特異的結合を阻害しない方法で標的分子の幾つかとトレーサブル剤または追跡可能剤を結合させる。ある実施形態では、第1の結合剤が、単クローン抗体、抗体フラグメント(例えばFab)、アプタマ、または関心標的と特異的結合を示す任意の他の分子または分子の複合体とすることができる。関心標的は、タンパク質、ペプチド、タンパク質複合体、または水溶液中で可溶な任意の分子でよい。トレーサブル剤または追跡可能剤は、蛍光分子、放射標識、比色測定生成物を生成する酵素、金属イオン、電気的検出可能生成物を生成する酵素、または直接的もしくは間接的に容易に検出および定量することができる任意の分子もしくは分子の複合体でよい。 2.関心標的分子への第2の結合剤を取得し、関心標的との特異的結合を阻害しない方法でそれと捕捉剤を結合させる。この第2の結合剤は、単クローン抗体、多クローン性抗体、抗体フラグメント(例えばFab)、アプタマ、または関心標的と特異的結合を示す任意の他の分子または分子の複合体とすることができる。捕捉剤は、ビオチン、ストレプトアビジン、一本鎖核酸または高い特異性と親和性で結合することができる任意の他の分子または分子の複合体とすることができる。ある実施形態では、第2の結合剤は多クローン性抗体であり、捕捉剤はニュートラアビジンと複合したビオチンである。 3.幾らかの量の前記関心標的を推定上含むサンプルを取得し、その量が望ましくは測定される。 4.導電性水溶液の積み重ねられた層から成る垂直電気泳動チャンバを準備し、この幾つかは無電荷の高分子を含み、これらの層は混合を抑制するために頂部から底部まで密度または粘度を増加させて配置される。最上層は、測定すべきサンプルから成るであろう(「サンプル層」)。例えば最上層は1g/mlの密度を有することができ、これらの層は各後続層で密度を約0.2乃至5パーセントだけ増加し、サンプル層の密度または粘度と比較して密度または粘度で約0.5パーセント、または2パーセント、または10パーセント増の密度または粘度に推移することができる。サンプル層より下の層の少なくとも1つは、捕捉剤の同族結合剤と結合した高分子を含むであろう(「捕捉層」)。任意に捕捉層より下の層の少なくとも1つは相対的に高濃度の無電荷の高分子を含み、これは高分子に結合した複合体の移動度を阻害する役目をするであろう(「スタッキング層」)。無電荷の高分子の濃度は、重量/体積の約0.5%乃至20%まで変動することができる。 5.前記第1の結合剤、前記第2の結合剤、および前記関心標的を一緒に混合および培養して、三重複合体の形成を可能にし、これは関心標的に結合するシグナル伝達物質と結合した第1の結合剤から成り、これは捕捉剤と結合した第2の結合剤と結合する。 6.混合物を含む電気泳動チャンバの垂直寸法の両端の電力源(例えば10乃至1,000v/cmを生成可能な電力源)から電位を印加する。このように標的分子は捕捉層へ移動し、複合体が同族捕捉剤と結合した高分子と結合し、これらの複合体の移動度を強力に低減する。 7.電位の印可を継続し、これによって高分子および全ての他の分子に結合した低移動度の複合体間の分離を達成し、これにより全ての他のシグナル伝達物質から関心標的に関係するシグナル伝達物質を時間および間隔で配置する。 8.任意に電位の印可の継続し、これによって全ての標的分子をスタッキング層へ移動させ、複合体の移動度がさらに低減され、これらの複合体を含むバンドの圧縮に導き、高分子および全ての他の分子に結合する低移動度の複合体間のさらなる分離を達成する。 9.これら前記複合物群の1以上におけるシグナル伝達物質を測定し、これによって前記サンプル中の前記関心標的の量を測定する。] [0102] 実施例 以下の実施例は、本書で提示されたある実施形態を実証するために含まれる。後続する実施例において開示された技術は本書で開示された実施に十分機能すると分かった技術を示しており、これによりその実施の好適な形態の構成を考えることができるということは当業者によって認識されるはずである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして開示される特定の実施形態で多くの変更を行うことができ、さらに本書の趣旨と範囲から逸脱せずに同一または類似する結果を得ることができることを認識する。] [0103] ある実施形態では、本書の組成物と方法は標的分子を含むように企てたサンプル中の標的分子の濃度の測定に関する。例えば、以下では以下のステップの全てまたは幾つかを含んでよい。] [0104] 標的分子を得て、後述の結合剤によって特異的結合を妨げない方法で標的分子とトレーサブル分子を結合する。本書で取り扱われる標的分子は、タンパク質、ペプチド、タンパク質複合体、または水溶液で可溶の他の分子でよい。本書で取り扱われるトレーサブル分子は、蛍光分子、放射標識、シグナルを生成する酵素、例えば比色測定性または発光性の生成物、電気的に検出可能な生成物を生成する酵素、または直接的もしくは間接的の何れかで容易に検出もしくは定量することができる任意の分子もしくは分子の複合体でよい。一つの例示的な方法は、例示的な図1に示されており、標的分子はトランスフェリンであり、トレーサブル分子はフルオレセインである。] 図1 [0105] 標的分子を結合可能な結合剤を得て、標的分子への特異的結合を妨げない方法で標的分子に捕捉剤を結合する。ある実施形態では、結合剤は、抗体、抗体フラグメント(Fab)、アプタマ、または標的分子を特異的に結合可能な任意の他の分子もしくは分子の複合体でよい。様々な実施形態では、捕捉剤は、ビオチン、オリゴヌクレオチドプライマ、または同族分子に安定的に高親和性結合を示す任意の分子とすることができる。一つの例示的な方法は、図2に示すことができる。結合剤は抗体であり、捕捉剤はビオチン−ニュートラアビジン複合体である。] 図2 [0106] 標的分子を推定上含むサンプルを得て、標的分子の存在および/または濃度を測定する。一つの例示的な方法では、垂直の電気泳動チャンバが準備される。この方法に従い、チャンバは導電性水溶液の積み重ねられた層から成ることができる。これらの層の幾つかは無電荷の高分子を含む。ある実施形態では、これらの層は、頂部から底部へ密度または粘度を増加させて配列し、層の混合を低減することができる。この実施例では、一番上の層は、測定すべきサンプルから成ることができる(「サンプル層」)。サンプル層より下の層の少なくとも1つは、捕捉剤の同族結合剤に結合した高分子を含むことができる(「捕捉層」)。任意に、捕捉層より下の層の少なくとも1つは、相対的に高濃度の無電荷の高分子を含むであろう。ある実施形態では、無電荷の高分子は1以上の層に加えられて無電荷の高分子が標的分子または標的分子複合体と結合するのを可能にすることができ、無電荷の高分子への連結が高分子に結合された複合体の移動度を妨げる役目をすることができる(「スタッキング層」)。] [0107] 以下のステップは、標的分子を潜在的に含むサンプルを準備し、標的分子の存在および/または濃度についてサンプルを分析する例示的な方法および組成物を示す。例えば、第1のステップは、結合剤、トレーサブル剤−標的分子、および標的分子(分析すべきサンプルの構成要素)を共に混合および培養し、複合体の形成を可能にすることを含むことができる。これらの構成要素の混合は結合剤を含む複合体を生成することができ、これはトレーサブル剤−標的分子またはサンプル中の未標識の標的の何れかに結合される。結合剤が多価の場合に、結合剤はトレーサブル剤−標的分子または未標識の標的の何れかまたは双方に結合されてもよい。これは図3に示される。] 図3 [0108] 代替実施形態では、結合剤、トレーサブル剤−標的分子、標的分子(分析すべきサンプルの構成要素として)は混合および培養することができ、捕捉層の前記構成要素が共に複合体の形成を可能にし、これは前記標識化された標的またはサンプル中の前記未標識の標的の何れかに結合される前記結合剤から成り、前記結合剤はまた高分子連結捕捉剤の同族結合剤を介して前記高分子に結合する。] [0109] 次に電位が混合物を含む電気泳動チャンバの両端に印加されて未結合トレーサブル剤−標的分子から複合体を分離し、これにより時間と間隔でトレーサブル剤を含む混合物のこれらの別個の群を配置することができる。一実施形態では、複合体は、捕捉層とスタッキング層の界面に配置されるであろう。] [0110] 1以上の複合体または未結合に連結したトレーサブル剤−標的分子を測定する。ある実施形態では、サンプル中の標的分子の存在および/または濃度は、標準的な競合アッセイ運動力学の適用によって測定することができる。一実施形態では、標的分子の濃度の分析測定を行うことができる。例えば、複合体が優勢であると推測される電気泳動チャンバの1以上の領域からの全信号は、未結合のトレーサブル剤−標的分子が優勢であると推測される電気泳動チャンバの領域からの全信号と比較することができる。そのような比較は、信号データの正規化を提供して、これによりサンプル中の標的分子の濃度のより精密な測定に導くことができる。] [0111] 標的およびIgG−標的−捕捉高分子複合体の特異的移動度の計算 一つの例示的な方法では、例示的な標的タンパク質、トランスフェリンの電気泳動度は、従来の研究で約9×10−5cm2/sVであると分かった。式3Cおよび5から、80キロダルトンの分子量を用いると、−3の各トランスフェリン分子上の近似電荷を計算することができる。IgGは、約150キロダルトンの分子量を有する。] [0112] 分子の可変領域のために、電荷は負極から僅かに正極まで及ぶことができる。本実施例で用いられる電荷の1つの推定値は−5である。一実施例では、直鎖状ポリアクリルアミド(LPA)の分子が用いられ、多数のビオチン分子に結合した。多価のニュートラアビジンが存在する状態で、LPA分子で構成された高分子ネットワークはビオチン−ニュートラアビジン−ビオチン結合形態を介して相互結合し、これらのネットワークの分子量は何百万のダルトンに達することができる。これにより形成されたネットワークの重量は、本実施例において107のダルトンと考えられる。式2Cから移動度は分子量の立方根に反比例する。] [0113] 式5から電気泳動度は電荷に比例する。タンパク質とLPA間の密度差、LPAの水和状態のようなものを無視するが、LPAネットワークの分子量の不確実性はこれらの他の効果を圧倒するので、概算目的のためにこれらの効果はこの例示的な方法では考慮されないであろう。遊離トランスフェリンの電気泳動度に基づいて、トランスフェリン−抗体−LPAネットワーク複合体の電気泳動度は、u=(9×10−5((−3+−5)/(−3))(80/(80+150+10,000)1/3=2×10−5cm2/sVによって示すことができる。] [0114] 未結合のトランスフェリンは、トランスフェリン−抗体−LPAネットワーク複合体より約4乃至5倍速く移動する。ある実施例では、この違いはこれより大きい桁になる場合がある。] [0115] 一つの例示的な方法では、キャピラリ電気泳動電圧を用いることで500V/cmと同じくらい高くなる場合がある。一つの制限は発熱であり、これは印加電圧の2乗に比例する。この例示的な方法に従い、100V/cmを印加することよって遊離分子がアノード(正極)へ約0.5cm/minで移動するが、十分に複合化されたトランスフェリンは同じ方向に0.1cm/minで移動して複合化された標的分子から遊離標的分子を明確に分離することができる。] [0116] 一つの例示的な方法では、標的分子はタンパク質トランスフェリンだった。本書で開示されたある実施形態を試験するために、ヒトトランスフェリンに特異的に結合する抗体を得て、多価剤であるビオチンに結合した。反トランスフェリン抗体−ビオチン複合体が次に精製された。次に、精製されたヒトトランスフェリンは、反トランスフェリン抗体(例えばラビット派生抗体)の特異的結合をさらに可能にする一般に入手可能な技術を用いて、フルオレセインで共有結合で標識化された。フルオレセイン連鎖トランスフェリンおよびビオチン結合抗体は、過剰なニュートラアビジンと、約50pMの濃度で未標識のトランスフェリンを推定上含むサンプルと混合される。最終混合物は、100pMのビオチンに結合された反トランスフェリン抗体および100pMのフルオレセイン連鎖トランスフェリンを結合する。この混合物は、5分間37℃で培養された。] [0117] サンプル/抗体/標識化された標的混合物は電気泳動セルに注入され、100V/cmの電位が5分間印加された。例えば、図6A−6Dを参照されたい。捕捉層の蛍光信号は、例えば蛍光検出器で測定することができる。任意に捕捉層の外部の領域の蛍光信号が測定されてもよく、サンプル中の未標識のトランスフェリンの存在に部分的に依存して抗体に結合されないフルオレセイン連鎖トランスフェリンを提示する。これらの2つの信号の比較は、サンプル中の標的濃度のより精密な推定を可能にする。別の実施例では、これらのステップは、様々な濃度の標的分子、例えば100pMの標的分子、200pMの標的分子、または標的分子無しを推定上含むサンプルを用いて繰り返すことができる。データは表にし、グラフ上にプロットすることができ、標的濃度に反比例する信号が例示的な図8に示すように利用される。さらに、トランスフェリンなどの未知数の標的分子を含むサンプルが上記規約に従って分析されてもよい。この実施例を用いると、トランスフェリン濃度は、既知のトランスフェリン濃度アッセイデータから構築されたグラフ(図8に示す「標準濃度曲線」グラフなど)から外挿法によって識別することができる。] 図6A 図8 [0118] 一つの例示的な方法では、概念実証実験からのデータが図7A−7Cに示される。図7A−7Cに示すように、所望の標的分子を捕捉するために3層設計がどのように機能するか、検出用バンド内にこれらの標的をどのように集中させるかを実証するためにニュートラアビジンが用いられた。このアッセイ用の電気泳動セルが準備され、3層から成り、底部(「スタッキング」)層にはトリス酢酸塩緩衝液中の直鎖状ポリアクリルアミドと7.5%のグリセロールがあり、中間(「捕捉」)層にはトリス酢酸塩緩衝液中のビオチン化デキストランと4%のグリセロールがあり、頂部(「サンプル」)層にはトリス酢酸塩緩衝液中のFITC標識化ニュートラアビジンがあった。制御実行中には、捕捉層にビオチン化デキストランがなかった。サンプル層は、検出ウィンドウの外部でこれらのプロットの右側に配置される。電圧がセルに印加されたとき、ニュートラアビジンは捕捉層へ(左側へ)移動し、これはビオチン化した高分子に結合し、その移動度を劇的に遅くした。ニュートラアビジン高分子複合体がスタッキング層に達したとき、直鎖状ポリアクリルアミドの存在が複合化したニュートラアビジンの進行を遅くしてほぼ停止し、バンドを集中した。制御実行中の遊離ニュートラアビジンは捕捉層とスタッキング層の双方中を自由に移動した。] 図7A 実施例 [0119] 本書で開示され、クレームされた組成物および/または方法および/または装置の全ては、本開示に照らして過度の実験なくなされ実行することができる。本発明の組成物および方法は、好適な実施形態の点から記載されているが、本発明の概念、趣旨および範囲から逸脱せずに、変形が組成物および/または方法および/または装置、ならびに本書で記載された方法のステップまたはステップの順序に適用されてもよいことは当業者に明らかであろう。より具体的には、化学的および生理学的の双方で関連する特定の作用物質が本書で記載された作用物質に置き換えられても、同一または類似する結果が得られうることは明らかであろう。当業者に明らかなそのような類似の代替物および変更の全ては、添付されたクレームによって規定される本発明の趣旨、範囲および概念内にあると考えられる。]
权利要求:
請求項1 サンプル中の標的分子を分離するための組成物において、頂部から底部へ密度を増加または粘度を増加させながら垂直に配置された2以上の相を具え、前記2以上の相の1以上が1以上の本質的に無電荷の高分子剤を含んでおり、前記本質的に無電荷の高分子剤が前記1以上の本質的に無電荷の高分子剤を含む相を通じて電気泳動させる結合剤と連結することができ、前記本質的に無電荷の高分子剤が捕捉分子と連結することができることを特徴とする組成物。 請求項2 請求項1に記載の組成物であって、前記結合剤が標的分子と連結することができることを特徴とする組成物。 請求項3 請求項1に記載の組成物であって、前記結合剤が第1の複合体を形成するために標的分子と連結し、前記本質的に無電荷の高分子剤が第2の複合体を形成するために第1の複合体の結合剤と連結することを特徴とする組成物。 請求項4 請求項1に記載の組成物であって、前記標的分子が前記底部へ移動するに伴い1以上の相が前記標的分子の移動度を次第に低減することを特徴とする組成物。 請求項5 請求項1に記載の組成物であって、1以上の相が標的分子または標的分子複合体の移動度を完全に抑制することを特徴とする組成物。 請求項6 請求項1に記載の組成物であって、前記標的分子がタンパク質またはペプチドを含むことを特徴とする組成物。 請求項7 請求項1に記載の組成物であって、前記本質的に無電荷の高分子剤が直鎖状ポリアクリルアミド、部分的に架橋したポリアクリルアミド、デキストラン、ポリエチレングリコール、またはその組み合わせの1以上から選択されることを特徴とする組成物。 請求項8 請求項1に記載の組成物であって、前記頂部から底部へ次第に粘度が増加する複数の相が、サンプル層、捕捉層、およびスタッキング層を含むことを特徴とする組成物。 請求項9 サンプル中の標的分子の測定方法において、標的分子を含みうる第1のサンプルを得るステップと;前記第1のサンプルを結合剤に晒すステップであって、前記結合剤が前記標的分子と結合して標的分子−結合剤複合体を形成することができるステップと;混合物を生成するために前記標的分子−結合剤複合体を未結合の標的分子と混合するステップと;前記混合物を垂直に積層された電気泳動基質に晒すステップであって、前記基質が頂部から底部へ密度が増加または粘度が増加する2以上の相から成っており、前記基質の1以上の相が、結合剤と連結可能であって前記高分子を含む相を通って電気泳動する無電荷の高分子(p)を有するステップと;前記標的分子−結合剤複合体の存在を検出するステップとを具えることを特徴とする測定方法。 請求項10 請求項9に記載の方法であって、前記垂直に積み重ねられた電気泳動の基体がベッセル内に垂直に積み重ねられた電気泳動の基体を含むことを特徴とする方法。 請求項11 請求項9に記載の方法であって、前記結合剤が捕捉可能な結合剤を含むことを特徴とする方法。 請求項12 請求項9に記載の方法であって、前記結合剤が前記標的分子に結合することができる捕捉可能な抗体、前記標的分子に結合することができる抗体の抗原結合フラグメント、前記標的分子の生物学的受容体、前記標的分子の生物学的受容体のフラグメント、多価のビオチン結合剤、タグ付きの結合剤、またはビオチンを連鎖した無電荷の高分子の1以上を含むことを特徴とする方法。 請求項13 請求項9に記載の方法であって、結合剤に連結した標的分子が、未結合の標的分子と比較して測定されることを特徴とする方法。 請求項14 請求項13に記載の方法であって、結合剤に連結した標的分子が未結合の標的分子から電気泳動的に分離されることを特徴とする方法。 請求項15 請求項9に記載の方法であって、前記標的分子がタンパク質またはペプチドであることを特徴とする方法。 請求項16 請求項9に記載の方法であって、円周で割った断面積の2倍に等しい0.5mmの最小の流体力学半径を備えたベッセル内で電気泳動が行なわれることを特徴とする方法。 請求項17 請求項9に記載の方法であって、サンプルがチューブ、チャネル、またはコンテナにロードされ、前記チューブ、チャネル、またはコンテナの頂部から底部に密度および/または粘度が増加する勾配中で前記電気泳動が行われ、前記勾配が少なくとも密度または粘度が増加する3つの相を含むことを特徴とする方法。 請求項18 請求項9に記載の方法であって、前記サンプル中の前記標的分子の濃度を測定するために前記未結合の標的分子に関するトレーサブル剤の測定が用いられることを特徴とする方法。 請求項19 請求項9に記載の方法であって、トレーサブル剤−標的分子複合体および未結合の標的分子の測定が前記標的分子の濃度に対して比例および反比例の信号を提供することを特徴とする方法。 請求項20 請求項9に記載の方法であって、トレーサブル剤が蛍光性、発光性、化学発光性、放射性核種、金属イオン、または蛍光性、発光性、化学発光性、もしくは有色の生成物を生成する酵素であることを特徴とする方法。 請求項21 標的分子を検出する装置において、a)少なくとも0.5mmの流体力学半径を備えた垂直に配置されたベッセルと;b)前記ベッセル内で1.0乃至1.1g/mlへ密度を増加する勾配であって、サンプル層の密度1.0乃至1.02g/mlと、捕捉層の密度1.002乃至1.05g/mlと、スタッキング層の密度1.01乃至1.1g/mlとを含む勾配と、を具え、前記スタッキング層が前記捕捉層より高い密度を有し、前記捕捉層が前記サンプル層より高い密度を有することを特徴とする装置。 請求項22 請求項21に記載の装置であって、i)トレーサブル剤に結合した標的分子と未結合の標的分子と;ii)捕捉分子に結合した第2の結合分子であって、前記標的分子、前記未結合の標的分子、第1および第2の結合分子が前記サンプル層内で複合体を形成することができる結合分子と;iii)前記サンプル層、前記スタッキング層、および前記捕捉層の少なくとも一つの層内の本質的に無電荷の高分子であって、前記複合体の一部になるために前記捕捉分子と結合することができる本質的に無電荷の高分子と、をさらに具えることを特徴とする装置。 請求項23 コンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読媒体において、サンプル中にトレーサブル剤−標的分子複合体を含むバンドの発光を示す第1のデータを受信するステップと;未結合の標的分子のレベルを示す第2のデータを受信するステップと;前記サンプル中の前記標的分子の存在を評価するために前記第1のデータを前記第2のデータと比較するステップと、を具える方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ可読媒体。 請求項24 請求項23に記載のコンピュータ可読媒体であって、前記方法が前記サンプル中の前記標的分子の濃度を評価するステップをさらに具えることを特徴とするコンピュータ可読媒体。 請求項25 請求項23に記載のコンピュータ可読媒体であって、前記第1のデータと前記第2のデータの比較は、前記第1のデータと前記第2のデータの比率の測定を含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体。 請求項26 請求項23に記載のコンピュータ可読媒体であって、前記比較するステップは、サンプル中の潜在的な各標的分子の標準曲線を生成するステップを含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体。 請求項27 請求項26に記載のコンピュータ可読媒体であって、前記比較するステップは、結合した標的分子よって提供される直接発光の強度を、未結合の標的分子の濃度の逆数と比べた比較をさらに含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体。 請求項28 請求項23に記載のコンピュータ可読媒体であって、対象物内の標的分子の存在、不在、または濃度を評価するために第1のデータと第2のデータを比較するステップは、標的分子からバンド内で発光が始まる時間を測定するステップと;標的分子からバンド内で発光が終わる時間を測定するステップと;標的分子からバンド内で発光が始まる発光強度を測定するステップと;標的分子からバンド内で発光が終わる発光強度を測定するステップと;各標的分子について前記強度と時間の範囲を分析するステップと;前記標的分子について強度と時間の前記分析によって提供された情報を評価し、前記情報を分析するステップと;取得および分析されたデータによって提供される情報に基づいて対象物の健康度、作用物質の存在、またはサンプルの混入物を評価するステップと、を含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体。 請求項29 請求項21に記載の装置であって、トレーサブル剤−標的分子複合体を含むサンプルを分離する手段と;前記トレーサブル剤−標的分子複合体からの発光を捕捉するのに適したリーダと;前記トレーサブル剤−標的分子複合体からの発光を記録するのに適したカメラと;前記装置からデータを受信するのに適したコンピュータと;前記トレーサブル剤−標的分子複合体からコンピュータによって受信されたデータの分析に適したコンピュータプログラムと、をさらに具えることを特徴とする装置。 請求項30 密度を増加または粘度を増加させた少なくとも3つの層を含む装置と;前記層の少なくとも1つと関連した本質的に無電荷の高分子と、を具えることを特徴とするキット。 請求項31 請求項31に記載のキットであって、標的分子の少なくとも1つの正極制御サンプルをさらに具えることを特徴とするキット。
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